tnlabo’s blog   「付加価値」概念を基本に経済、経営、労働、環境等についての論評

人間が住む地球環境を、より豊かでより快適なものにするために付加価値をどう創りどう使うか。

「新」日本列島改造計画

2018年08月06日 22時58分21秒 | 政治
「新」日本列島改造計画
 今回の西日本豪雨で、われわれは気候変動の恐ろしさを思い知ることになりました。単なる豪雨災害で、死者220人、未だに行方不明が10人などという事が起きるのです。

 またこの2-3日、東北地方などで、記録的短時間大雨情報が出され、昨5日だけでも5か所に及んでいます。いずれも1時間100ミリから120ミリを超える豪雨です。

日本列島での雨の降り方が今までとは全く違ってきているように思えます。
 この何年か、初夏に猛暑が続くことが多くなっていますが、今年は、異常な暑さが長く続く気配です。
 恐らくこの暑さと、記録的短時間大雨とは関係があるのでしょうが、こうした状況は恐らく今後も続き、さらに激化していくのではないでしょうか。

 東京オリンピックがこの暑さの中でという事が心配されていますが、それと同時に心配しなければならないのは、こうした1時間100ミリを超える大雨が常態化するとすれば、日本列島のインフラは、現状ではそれに対応できないことが解っていることです。

 都市の下水道施設は1時間50ミリを基準にしているとのことですが、その2倍を超える降水量が常態化する様相です。

 さらに、戦後の住宅開発は、土地神話、土地バブルの影響もあり、大雨の際の危険地域も膨大な数に上っているようで、しかも古くからの山間部の住宅地でも、山の手入れの不足や、経験値を越える降水量で災害が起きる例も頻発しているようです。

 砂防ダムなども、従来の経験からでは予測をはるかに超えるような規模の土砂崩落で、全く役に立たないことも起きているようです。
 国交省によれば、全国の土砂災害危険個所は50万を越えているとのことです。

 こうした状況を見るとき思いますのは、かつてあった「列島改造論」を、今「列島インフラ改造論」に変え、安倍総理の言う「国民の生命と財産を守る」ための壮大で本格的な事業が必要になっているのではないでしょうか。

 国際紛争に対応するために、防衛費を増強するのも必要かもしれませんが、そちらは人間同士の話ですから、外交交渉で片付けることも全く不可能ではないでしょう。
 しかし、自然災害は、交渉では防げません。人間が、自然の猛威に対応するには自らの努力あるのみです。

 本気で安全を図っていけば、今迄の2~3倍の対応力のある都市、河川、道路、鉄道、中山間地の土砂崩れ対策など多様なインフラの長期にわたる整備が必要になるでしょう。
 コストは膨大でしょう。しかし、災害が起きてからの復旧にかかる時間と費用に比べれば、何分の1かでしょう。
 人命の問題を考えたら、そんな計算とは比較にあらない成果があるはずです。

 日本経済は、年々増える貯蓄、海外から批判の的の大幅経常黒字という問題を抱えています。日本経済に必要な内需拡大の基底として、まず必要なのはインフラでしょう。
 
 自然災害で痛ましくも失われる人命、多くに被災者の塗炭の苦しみを防止し、日本経済の国際的なバランスにも資するプロジェクトになりうる可能性を持つ「インフラ中心の列島改造」です。
 そんな議論が国会でなされる日を待ちたいと思うところです。

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